津波による電源喪失で、制御機能を失った福島第一発電所。。。
事故から1週間経ち作業員の線量が100mSvを越え始めたようです。
もっと早くにも弁の開放に走った人は、越えていましたが・・・・・
放射線に携わる職業の人は、電離放射線障害防止規則に則り管理されています。
ICRP勧告により、年々厳しくなってきていて現在では
5年 100mSV
これには、期日が決められていて平成18年が起算で22年までとなっています。
つまり今年の4月に100mSv被ばくすると、28年の4月1日までは
放射線管理区域に入域することが出来ません。
東京電力の職員や東芝・日立・三菱などの電力会社や重電大手などでは
配置転換や部門移動なので線量を使い果たした従業員も維持できます。
しかし、下請け・孫請けともなるとなかなかその対応が難しい問題となります。
下請けの会社は、専門に偏る傾向がありわが社も例外ではありません。
原子力で要求される技術は、一般でも通用する技術はたくさんあります。
また原子力にしか通用しない技術もたくさんあるんですね。
このバランスが取れていると良いのですが、概ね偏向していると思います。
また細かい管理の面では、1日は1mSvで管理されています。
ポケット線量計とガラスバッジまたはフィルムバッジという2つの計測機をもち
管理区域に入域します。。
ポケット線量計は、デジタルアラームメーターとも呼び毎回線量の設定値を
変更することが可能で、設定値の80%で警報が鳴るようにしてあります。。
これは警報が鳴ってから退避するまでの時間を考慮されているのと
測定誤差の余裕をもつものです。
ガラスバッジやフィルムバッジは、放射線の感光作用を使ったもので
毎月現像し評価を行います。
1ヶ月間のアラームメーターの集計値を暫定値、ガラスバッジなどの評価値を
実効線量とよび、こちらの値が正規に採用されます。
機械で測定するものは、誤差を持ちますので余裕を持ち0.8mSv/月
が、通常の管理線量値となっています。
このように原子力で働く人は、自分の線量を常に意識して働いています。
月の途中や年の途中で線量を使い切ると・・・・・・
下手をすると、職を失います。。
これが、現在でも原子力の末端の現実です。
大きな器に守られた職員などは、大丈夫ですけど
小さな会社などでは向こう5年間の保証がないと手が出せないのではないのでしょうか。
現在も少ない人数で、交代して対応されていますけど
人が簡単に集まらない訳は、こんな背景があるのです。
原子力発電所を運転中に、稀ですが燃料リークという事象がおこることがあります。
これは何処の電力会社でもプレスリリースしていますけど・・・
たくさんある燃料集合体の内、1体
その中にある1本の燃料棒が傷か何かの影響でリークすると・・・・・
キセノンやヨウ素が、一次冷却材中に溶け出します。
たった1本ですよ・・・・
それでも停止した時には、雰囲気の線量が通常より2割から5割も増加します。
今回、いったい何本の燃料棒の被覆(ジルカロイ)が損傷したのか判りませんが
相当数の燃料棒が損傷していることは想像できますね。
現在、放水による冷却作業が本格化し、電源系統の復旧も見えてきました。
一刻も早く燃料棒の損傷をくい止めて、次のステップ【閉じ込める】の
復旧作業に取り掛かれることを期待いたします。。。
石棺とは言いませんが、温度さえ安定させ人が近づければ
タングステン製のパネルハウスを組み立て遮蔽をし
その外にしっかりとした、原子炉建屋の外殻を再構築する。。。
そのステップに行きつくまでには、どれくらいの時間がかかるのでしょう・・・
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